ごあいさつ

恩慶寺は、1610年の開山以来400余年にわたり、この仙台の地で地域の皆様とともにお念仏の心を育んでまいりました。

2012年、親鸞聖人750回大遠忌にあたりご門主様より『新たな始まり』を期するご消息が出され、そのなかに「一人ひとりが抱える課題を大切にし、お念仏を喜び心豊かに生きることのできる社会を目指しましょう」とありました。このお示しを道しるべとし、一人でも多くの方に仏法に遇っていただけるご縁作りができるよう力を尽くしていきたいと存じます。

お念仏の声が永代に響くお寺となるよう、人の心に寄り添い、一歩ずつ歩んでまいります。どうぞお気軽にお参り下さい。合掌

恩慶寺 400年の歩み

当寺は宿縁山と号し、開基は天台宗の僧で専西坊教順と称す。 教順は、羽前国(現在の山形県)国村山郡天童の西教院に住し、 関ヶ原の戦いに参じた後、岩城国(現在の福島県)若松観音堂の 別当をつとめていたが、伊達家が仙台に移城するや来仙し、慶長 15年4月、本願寺12世准如上人より坊号を免許され、新坂町称 念寺境内に本尊を移し教化の扉を開いた。

二世宗順の代になり、寺号が定まらないことを憂い、寛永2年春 上洛し、本願寺13世良如上人より恩慶寺の寺号を受け、本願寺 直末となり、北鍛治町(現在の柏木一丁目辺)に一宇の草坊を創り 布教を行う。 然るに月日を重ねるに従い、市中であり、狭い境内に御堂の建立 も難しく、荘厳を施す望みも少ないため、門徒等が奔走に及び、奉 行に願い出て現在の地の使用を許され、寛文3年6月8日供に仮 堂を造り尊像を迎え奉る。 その後御堂造営の大願は止むことなく、寺門日を追って繁栄し、 元禄15年7月8日、念願の堂宇を建立する。

昭和48年の解体までおよそ270年余りの長い歳月を、9世代にわ たり幾多の風雪を凌ぎ仙台市最後の茅葺き御堂として世上に名 を残すも、翌昭和48年親驚聖人御誕生800年ならびに開宗750 年を記念として現在の鉄筋コンクリートの本堂に改築建立する。 平成15年4月、庫裏と会館を新築。平成23年3月11日の東日本 大震災により本堂と控室に被害を受けたため、翌平成24年1月、 本堂の屋根を葺き替え、平成25年8月に本堂と控室の修籍工事を 終え、現在に至る。